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【調書4】企業の情報インフラ

 さて、いよいよ企業と情報化の状況に移ろう。これについては、いくつかの項目に分けたい。
 まず最初は、大きく、そもそも企業内の情報インフラはどの程度整っているのか。

 警察庁に資料がある。企業に対するハッキングなどの捜査を行ったりする関係だろう、セキュリティに重点をおいた、「コンピュータ及びネットワークを利用する企業等のセキュリティに関する実態調査」という資料。ここに保有台数や利用環境についても調べられている。
 それによると、パソコンを保有していない企業はすでに無いが、環境面では、まだ1人1台というところは少なく、数人で共有しているケースが多い。また、ファイアウォールの設置については、まだ半数の企業にとどまっており、このあたり、当の警察庁は心配してるんじゃないかな。

 ところで数人に1台って、具体的には何人か。それを「パソコンネットワーク満足度調査」で見てみると、以前は6人に1台だったのが、4.4人に1台になってきている。確実に増えているということだろう。
 また、同じ資料の中に、ネットワークも普及している様が見られるが、このあたりをもう少し細かく見てみよう。そこで、「大手企業情報化動向調査」で大手企業の状況を見れば、さすがに9割の企業がクライアント・サーバ・システムを導入している。一方中堅はどうかというと、「中堅企業情報化実態調査」に6割とある。企業間格差はやはり存在するのだ。情報化は中小企業を助けるはずなのに、投資力の差がかえって格差を広げてしまうんじゃないかと不安にもなる。

 企業の情報インフラをもう少し具体的な項目でつかみたければ、「中小企業情報化についての調査」が参考になる。業種別に見ることができるほか、たとえばPOSを導入している小売業は54.5%、EDIを導入済の企業は製造業で17.0%など、システムの種類によって見ることもできる。
 同じ資料には経常利益率との関係もあってパソコン通信導入済企業の方が高いなんて結果が出ている。ただこれは経常利益率が高いからパソコン通信を整える余裕もあるとも考えられる。実際のところどうなのか。情報化の効果っていうのはあるのかどうか、次にそれを見てみようか。

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警察庁
セキュリティの管轄ということで、そちらの方向の資料がある。

J.D.POWER ITグループ
情報技術関連の資料が揃っている。

(社)日本情報システム・ユーザー協会
会員企業の調査などを公開。

商工中金
中小企業を支える立場から資料が揃えられている。



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