Unplugged


【第11講】ユーザの気持ち

 ユーザテストを通して、作成したインターフェースの持つさまざまな欠点や作成側の思い込みなどが明らかになってくる。
 それにしても、使いやすいインターフェースとはどんなものか。つまりはユーザの立場に立ってものごとを考えるということになるのだけれど、ここでユーザの気持ちについての一般論を見ておこう。

 まずは「Response Times: The Three Important Limits」に、反応時間の三つの壁、というのが紹介されている。まず 0.1秒。コンピュータからの反応がこれ以内なら、ユーザは次の行動のことをなにも考えることなく結果を手にすることになる。
 次が1秒。この時間以内なら、たとえ待ったとしても、今の行為の結果だけを待つことになり、別の考えに移ることはない。そして10秒。ある一連の流れの中で待つには、この時間が限界。これ以上待たされるようなら、別のことをし始めると。

 では、ウェブで文章を読むとき、ユーザはどんな読み方をしているのか。「How Users Read on the Web」に触れられている。
 それによれば、ユーザは必ずしも「読む」のではなく、「目を通す」といったイメージに近い読み方をしているらしい。そのことから、ウェブでいう良い文章とは、ざっと目を通すときに目にとまりやすいように構成された文章ということになる。
 ぼくの場合、この文章でもそうだが、段落を適度に切って、その段落内での内容はひとつかふたつにおさめ、この段落は何、次の段落は何、とざっとつかんでいけるように考えている。長い文章なら、小見出しをはさんでいって、それだけでも大意がつかめるなんていうのもいい。そう、新書のスタイルに近いかもしれない。

 デザイン面では、「わかりやすさとは?」にユーザの目的に合わせたポイントが述べられている。
 ユーザがウェブを見る目的は、学習であったり娯楽であったり、購入であったりする。学習なら単純明解で予測にそった流れが要求されるけれど、娯楽なら思いがけないアクションが必要になったりもする。これら目的に合わせてデザインをしていかなくてはならない。

 デザインについては「The Navigation and Usability Guide」にポイントが箇条書きになっている。スペースの有効活用、構造の整理、迷子になったときの処置、ナビゲーションの難しさなど、心得ておきたいことばかり。
 ウェブって、ユーザからの反応がなければその場で去られてしまう厳しい世界。インターフェースやナビゲーションって、ほんとにたいせつなのだ。

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