Unplugged


【第10講】人体実験をめぐって

 人体実験の話をしよう。え、人体実験って、と思われた方は、まずは「デザインは人体実験をしよう!」をお読みください。そう、ユーザテストだ。
 でき上がったウェブサイトっていうのは、えてして思い入ればかり強くて、意外にユーザが使いにくいということがある。使いにくいというだけならともかく、まったく間違って使われてしまうということもあり、それを避けるためにも、一般公開の前にテストが必要なわけだ。

 正直に書くけれど、ぼくが携わった仕事でも、予算の関係もあってなかなかユーザテストが充分にできたと言える仕事は少ない。それでも、同じチームにはそのプロジェクトに加わっていない人間もおり、納品前には極力そうした人に使ってみてもらうし、クライアントさんにも、チェックの段階でできるだけ多くの人に試してもらっている。
 具体的にどんなことをするかについては、「ユーザ・テストのメリット」にも詳しい。ただ漠然と使ってもらうより、「○○を買ってみて」とか「○○のことを調べて」など、具体的なテーマを与えて、その処理の手順を観察しておくのがいい。

 具体事例がある。「Web Usability Study」と「Trials and Tribulations of Web Application Design」だ。英語ではあるけれど、分かりやすいようにと思って作ったアイコンが逆効果だったり、充分に説明したつもりが伝わっていなかったりといった可能性はおおいにある。こうした目で観察していくことになる。

 何人くらいにテストしてもらえばいいかだけれど、通常2人から3人というところだろうか。5人にもしてもらうことができれば万々歳。ただ、漠然と人を集めるのではなく、狙っているユーザ・ターゲットとの習熟度の差を考慮しておく必要はあるけれど。
 どのくらいの効果があって、手間がかかるかについては「Cost of User Testing a Website」に詳しい。通常は課題の半分も解決できない、11くらいは致命的な欠点があるなど、考えさせられるまとめがある。
 新しい目でテストしてもらうことが必要なゆえんである。

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