Unplugged


【第1講】なんでインターネットなの?

 クライアントとのミーティングで、ぼくが最初に聞くのは、「ウェブサイトを立ち上げて何をされますか」ということ。ところが、この質問に対して明確な答えがない場合って意外に多い。
 今立ち上げとかないと出遅れるんでしょ、とか、もうけることは期待していませんが、とか、それなりの情報は集められて、漠然としたイメージは持たれているようだ。でも、そんなのはみんな迷信だと考えて、自分がどう使いたいかをはっきりさせた方がいいんじゃないかと思う。
7 Myths Of Internet Marketing」っていう英語のコラムに、インターネットにまつわる7つの神話、というか迷信が紹介されている。いわく、「今やらなきゃ乗り遅れる」「インターネットで広告はできない」「インターネットは儲からない」「インターネットは儲かる」などなど。けっきょく、耳年増にならないように、っていうことかな。あまり使っていないのに情報だけは集めている人って、ちょっとね。

 たとえば、物を売りたい。これは立派な目的だ。実際、アメリカではオンライン・ショッピングで大成功している企業も少なくない。ウェブを通した販売についてはこの連載のたぶん10回目くらいでより深く触れるけれど、少なくとも、売るなら売るではっきりしておいた方がいいだろう。「電子商取引を実践する動機」っていう調査があって、そのいちばんの理由は「事業合理化とコスト削減」とあるんだけれど、個人的にはどうかと思う。だって、合理化を先に考えるとどうしても目が社内に向いてしまって、お客様の方を向かないじゃない。「売る」ときに大切なのは、やはりお客様だと思うんだけどなあ。
 ま、もちろん、社内向けの起案書を作るときには、コスト削減って魅力的な提案の柱になるけれどね。

 そういえば、インターネットに取り組みたいという場合、2種類のパターンがあるように思う。ひとつは、トップから急に命じられてあたふたと現場が動き出す場合。もうひとつは、個人レベルでインターネットを使っている担当者が、会社としてもやるべきだと考えた場合。
 いずれの場合も、最初にやらなくちゃいけないことは、具体的なプランを作ってトップへ提出することじゃないだろうか。プラン作りに当たっては、なによりも「目的」をはっきりさせること。たとえば、「ホームページ作成目的の明確化」にもヒントがある。
 エクストラネットやウェッブEDIといった、B to B(企業対企業)的なものを除いておおざっぱに言ってしまえば、「販売」「広報」「リクルート」のどれかになると思う。ぼくがこれまで聞いてきた話の中では、やはり「リクルート」がいちばん多かった。それから「広報」かな。いずれにしても、「○人の会員を獲得する」「○円の売り上げを目指す」など、具体的にメリットの見える目標を持っていた方がいい。じゃないと、1年くらい経って、「ウェブサイトを立ち上げたものの」なんて倦怠感におそわれてしまうよ。

 最後に、稟議書に悩むあなたには、英語ではあるけれど、「20 Reasons to Put Your Business on the WWW」はどうだろう。「ネットワーカーとのコミュニケーション」「顧客への情報発信」「販売」「情報のマルチメディア化」「質問と回答集の提供」「24時間窓口の開設」「顧客の声の収集」など、ウェブサイトを立ち上げる理由が20項目あげられている。稟議書のコロシ文句にいかがですか。

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ここはとりあえず 20reasons ですね。



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