Unplugged


【第0講】はじめに

 仕事が入ってくる。多くの場合、それは営業からの電話から始まる。現在別の仕事でおつきあいしているクライアントがホームページ(※注1)にも興味を持っているんだけど、そんな内容。
 ぼくの勤めているのは、広告制作ないしSP関連とでもいった会社。でも、営業員全員がインターネットについて詳しいわけではない。いや、これまで印刷物が主体だったから、もしろ素人の方が多い。たいていは不安げな様子で「ウェブ・プロデューサー(※注2)」を自称するぼくのところへやってくる。
 そんなとき何をするかっていうと、とりあえず、クライアントの現状と意向をもう少し具体的に聞くこと。そもそもほんとうにウェブサイトが必要なんだろうか。それを知るために、ぼくが直接出かけたり、システム・アドミニストレーターに出かけてもらったりして、話を詰める。ウェブサイト立ち上げまでのながーい時間の始まり。

 おそらく今、ウェブサイトを取り巻く状況は足踏み状態にある。先行して立ち上げたところは、それをより効果のある手段として使うにはどうしたらいいか悩み、次の一手を打ちあぐねている。現在まで立ち上げていなかったところは、単に立ち上げるだけでは不足なので、何か有効な活用法を見つけた上で立ち上げようと慎重になっている。そんなところじゃないだろうか。
 いずれにしても、もう一度、根本からウェブサイトを見直す時期に来ていることは間違いない。この連載は、単にこれからウェブサイトを立ち上げようという人たちばかりではなく、すでに立ち上げたサイトを一から見直そうという人たちにも読んでいただけるように考えている。

 この連載では、できるだけインターネット上のリソースを多数紹介していくことにする。本文で各種リソースに触れるけれど、その情報が含まれているウェブサイトは、右の注釈欄(このページの場合は用語説明があるスペース)に紹介しておく。つまり右の注釈欄は、ウェブサイト運営のヒントをつかむサイトへのリンク集としても使えるわけ。

 さあ。ぼくはクライアントに出かける。先ほど触れた、ウェブサイト立ち上げの方向性をつかむために。それは、オリエンテーションというにはまだ遠い、ほんのとっかかりの話だ。
 えてしてそれは、思いがけないほどの段階だったりする。

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(※注1)「ホームページ」という言葉は、本来ブラウザを立ち上げたとき最初に表示されるページのこと。あるいは、あるサイトの、もっとも基本となるページのことを指す場合もある。日本ではこれが誤用されて、WWWで提供するコンテンツ(情報内容)すべてをホームページと呼ぶようになってしまった。
この連載では、「ホームページ」という代わりに、できるだけ「ウェブサイト」という表現を用いたいと思う。

(※注2)「ウェブ・プロデューサー」の定義については、第4講をご参照ください。



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