カツオのたたき
[今日の雑学 04.22]

 初ガツオのシーズン。鹿児島は枕崎でもこの時期「かつお祭」が行われる(日経4月21日)。食堂などでも「ビンタあります」なんて張り紙が掲げられているらしい。枕崎言葉で「頭」の意。カツオの頭を塩ゆでしてふるまう。食卓で煮崩れた目とにらめっこ。なかなか豪快な料理だ。
 カツオ料理といえばそのままの刺身もあるのだけれど、たたきの方がよく知られている。節取りをしたカツオの表面をあぶり、薬味をかけて包丁でたたく。一説には1800年代初頭に始まったという。カツオの豊漁が続いて食べ飽きてしまった漁師が、焚き火に投げ入れた。なんだか香ばしい匂いがするので取り出して食べたところ、これがいける。みんなもどうだ、というわけ。
 高知で食べたたたきは絶品だった。水にさらした薄切りのタマネギの上にぎっしり。タレをたっぷりつけ、ニンニクの薄切りとあわせて口に運ぶ。しゃきっとした歯ごたえ、香ばしさが口いっぱいに広がる。
 ほんものの味というのが、あるところにはあるものだ。



| E-Commerce
| Round Up

本日はサイトチェックをお休みし、特別編として、3月にお送りした「E-Commerce」コーナーのなかから、気になったものを再編集してお届けいたします。
●は日本語、★は英語サイトです。


┃オンラインショッピングの可能性

Ernst and Youngからまとまったレポートが発表された。米国内の家庭と企業を対象とする幅広い調査[★01]。30ページにわたるレポートがダウンロードできる。ポイントを見てみよう。

昨年度アメリカではeRetailなんて言葉が浸透したようにオンラインショッピングが爆発的に広がったのだけれど、調査によるとそれでもオンラインで買物をしたのは全世帯の10%に過ぎなかったそうだ。ただし9月の調査なので昨年クリスマスが含まれていない。PCを持っている家庭が 43%、オンラインにつながっている家庭が26%という数字を見ると、つながってさえいれば、その4割近くがオンラインショッピングをしたということになる。購入者は男性が多い。

数字が大きく変わったのは売る側。小売業のうちオンライン販売をしている、あるいは計画している店舗が76%に達し、前年の34%から倍増している。現在は総売上の1%をオンラインが占めるに過ぎないけれど、これを2001年度には9%にしたいともいう。これに対してメーカーは少し奥手で、まだ過半数が取り組みを考えていない。

さて、では実際どのくらいのオンラインショップがあるの
だろう。Keenan Visionから「The E-Merchant Opportunity
of 1999」というレポートが出たので、のぞいてみる[★02]。

昨年1年間で、e-merchantの数は17,500から45,000になったとある。しかも2001年には215,000、2003年には400,000になるだろうと予測。まさに爆発的といっていい増加だ。ちなみにこのレポートはこうした店舗のニーズとしていくつかの関連ビジネス分野をあげている。販売とマーケティング、物流、E-Commerceアプリケーション、サーバ、決済手段、接続など。また、e-merchantの発展にポータルサイトの果たす役割が小さくないと指摘している。ただ、ポータルサイトの役割については否定的な見方も出されていて……、ま、それは4月の情報になるのでここでは触れないでおこう。

ところで、実はE-Commerce市場規模予測は、急拡大するという方向性ではどの調査会社の予測も一致しているけれど、その数字についてはけっこう差がある。このあたりを、実際の予測数値も紹介しながらまとめた「Why E-commerce Forecasters Don't Get It Right」という記事がある[★03]。各調査会社のショッピングの定義や調査対象、手段などが一覧表になっているので、参考になるのではないだろうか。


┃B to B市場に注目

E-Commerceの拡大という点でしばしば指摘されたことに、「B to Bが伸びる」というのがある。オンラインショッピングといわれるとき普通に目にするB to Cすなわち企業と消費者間の取引ではなく、Business to Business、企業間取引のこと。

Yankee Groupによる市場予測[★04]では、米国内のB to B市場は今年1380億ドルが、2003年には5410億ドル、年々41%成長するとしている。ちなみにここでいうB to Bはプロダクト・リサーチからアフターサービスまでを含んだもの。

B to Bの定義が違うので数字比較は単純にできないけれど、Forrester Researchも成長するという点では一致した結果を出している[★05]。こちらは、ビジネスに関係するオンラインショッピングを対象とした見積りで、2003年には1兆5千億ドルという数字。商品購入だけではなく、金融や出張のための旅券予約などサービスも含んでいる。うーん、それにしてもこちらは毎年倍々ゲームで増える計算だな。

ちょっと違う方向の数値も見ておこう。PSI Globalによる小規模企業のインターネット利用度調査[★06]。インターネットを利用する小規模企業の数が今年はついに半数を超え、63%になるとしている。ウェブサイトを持っている企業は昨年調査時点の24%が31%になっている。また購買にインターネットを利用するという企業が20%。こうした小規模企業の利用促進も、全体の活性化につながっていることは間違いないところだろう。


┃アメリカしかないのか

E-Commerceというとアメリカの話ばかり、なんていうのもさみしい。大丈夫、今後アメリカのシェアはじょじょに下がっていくという予測がある[★07]。なんでも現段階ではアメリカのシェアは76%らしいのだけれど、2002年には55%になるとか。まあそれでも過半ではあるのだが。

国別に見るとドイツやイギリスの伸びがいいようだ。ちなみにフランスは昨年6640万米ドル規模[★08]。え、日本? うーん、いい資料があるんだけど、それは4月公表なのでとっておくとして、あさひ銀行のレポート[●09]をここでは参照する。通販全体の市場規模が 97年度2兆2千億円と停滞気味の中で、インターネットは 97年度 818億円、2005年には1兆円を超えるという数字。


┃ショップランキング

マクロな数値ばかりではなくミクロな数値も見ておきたいのだけれど、ここでは店舗ランキングに的を絞ってみる。

まずオンライン書店の比較を見よう。カスタマーサポートという面から各ショップを比較しているSupportZoneの資料[★10]。トップはAmazon.com。売上にはそれなりの理由があるということだろう。

インターネットバンクではどうだろう。Gomezによるものがいい[★11]。使いやすさやサービスなど各種の視点から評価ランキングがなされている。

ええいそれより売上規模で大きいところはどこじゃい、なんて向きにはActivemediaのレポート[★12]。年間1億ドル以上売り上げているショップが紹介されている。

あと賞モノだが、アメリカのダイレクト・マーケティング協会からNET.MARKETING優秀賞というのが発表され、N2KのMy Music Boulevardが選ばれている[★13]。


┃オンラインショッパーってどんな人?

ユーザ調査も見ておこう。まずはインターネットで農林水産物は売れるのか、を調査したのが関東農政局によるアンケート[●14]。これによるとオンラインショッピング経験者の22.7%が農林水産物の購入経験がある。産地直送というのが大きな魅力で、水産物や果物を購入した人が多い。買わない理由は、やはり商品を見ないと不安、という人が多い。続いて送料、品質保証と続く。

似たような調査に、食品販売サイトを運営しているCondeNastによるものがある[★15]。女性がオンラインショッピングをする際の購入動機、あるいは購入しない理由を尋ねたもの。前向きにさせる要素として「商品の詳細説明」「セキュアであること」「価格」「評判」「便利さ」など、逆に妨げる要因としては「選択幅が少ない」「セキュリティが弱い」「オフラインと同じ価格」「知らないブランド」などがあげられている。

また、Vanderbilt大学の教授によるProject2000からも企業と顧客の関係に注目したレポートが発表されている[★16= PDFファイル]。やはり基本は顧客が企業を信頼していないというところに問題がありそうで。

とはいえ実際のところオンラインショッピングをする機会はどんどん増えており、Greenfield Onlineからはオンラインショッピングのおかげで実際のモールなどに出かけなくなったという調査結果も発表されている[★17]。主だった数値を見ていると、ことにソフトや書籍ではそうした傾向が見られるようだ。

ところでもうひとつ気になる調査に、インターネットユーザはけっこうクーポンを利用するというのがある[★18]。coolsavings.comなども半数近くが訪れたことがあるとか。日本ではそれほど多く見かけないけれど、さてこれから広がってくるのだろうか。ん、もしかして日本の懸賞サイト人気は似たようなメンタリティからなのかな。


┃じゃあどうすればいいのか

さあてここまできたらついでにオンラインショップ運営のヒントもWebで見つからないかな、というところ。

まずは米国の電子商取引の現状を視察してきたレポートが日本オフィスオートメーション協会から発表されているので参照したい[●19]。

採算をとるために「クリティカルマスの獲得」を最優先していること、その意味でも「ポータル」が重視されていること、トランザクションではなく顧客との「リレーショナル」がたいせつであること、調整を待つのではなく「まず始める」こと。そんなキーワードが出てくる。

注目しておきたいのはAOLによる、顧客の購買までのプロセス分析。バナー広告などからオンラインショップに入ってきてから購入成功までのステップを3つに分解し、それぞれの段階で顧客の行動を妨げる要因がないかを見ていく図式。「ログインなどのめんどうさ」「検索性や処理速度、プラグインなど情報入手の困難さ」「分かりにくいナビゲーション」「セキュリティなどへの心配」。もしあなたの店が今売れていないのなら、こうした理由を分解して考えることが第一になる。もちろんこれらの他に、通常のマーケティング上の問題、たとえばプロモーションの適切さや価格といったことも検討要因になるだろう。

こうしたステップということを頭の隅においておけば、「来店客を購入客に」というThe New York Timesの記事[★20]も理解しやすいのではないだろうか。

あまりアメリカアメリカというのもうるさいかもしれないけれど、やはりあちらの方が進んでいるんだからしかたがない。「アメリカ企業に学ぶ―インターネットビジネス成功のノウハウ[●21]」は、日米の違いを分析しつつ、日本での成功のための指針を教えてくれる。

もっとチュートリアルがないかなあという方、英語ではあるけれど、「E-COMMERCE EDUCATION[★22]」というリンク集が公開されたので、そちらをどうぞ。

■ Unplugged今日の雑学>1999.04.22