ひかり1号
[今日の雑学 03.28]

 週末にかけて東京へ往復した。京都から片道2時間半強。高速鉄道輸送時代の幕を開いた新幹線も、開業当時は大阪東京間が4時間かかっていたからずいぶん速くなった。現在東京大阪間は1日約280本、開業以来の走行距離は約12億1300万キロに達したという(朝日3月27日)。地球と月の間を約1597回往復する距離。
 ひかり1号が走ったのは、1964年10月1日朝6時。東京駅19番ホームからの出発だった。運転士は山本幸一。高知出身の国鉄マン。少年時代から蒸気機関車の運転士を夢みて、敗戦後高知で就職、当初は機関車のかま磨きに明け暮れていた。なんとか免許を取得し、東海道線の電車を運転していたところへの大抜擢。38歳、遅咲きだった。彼を支えた妻とともに、涙を流して喜んだという。
 彼は退職後、がんに侵され、68歳で一生を終える。葬儀の日、妻は開業の日夫が着ていた制服と制帽に着がえさせた。胸には菊の造花。戒名には「光」「一」の文字が入れられている。
 夫婦の支えとなった新幹線。それは今日も、人びとのたいせつな何かを乗せて走っている。



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Unplugged今日の雑学>1999.03.28