ファーブル
[今日の雑学 03.22]

 手元にある全20分冊の岩波文庫版の奥付を見ると昭和初期から20年代にかけての出版になっている。『ファーブル昆虫記』は日本でも人気の高い書籍で、翻訳も何種類か出されている。初めて本格的に紹介されたのは1922年で、大杉栄によるもの(朝日3月22日)。原著の完結から15年後のことだ。
 ところがファーブルの母国フランスでは1989年に再刊されるまで70年以上出版されていない。なんでもフランス人は犬より小さいものには目に入らないと言われ、昆虫には関心が薄いのだとか。
 ファーブルが晩年を過ごした家は現在では博物館になっている。年間入場者は約6000人。そこには1ヘクタールの庭がある。ファーブルは世界中から800種類の植物を取り寄せ、この庭を昆虫の楽園にした。植物の中には、日本のマサキやウルシもある。
 幼少のころ、スカラベの話を読んだぼくは、あの便所の近くにいるような虫のことだろうか、そんな想像をして探し回ったりもした。昆虫記は、自分の身の周りの話だった。今はどうだろう。昆虫記を、ファンタジーとしてしか読めない環境の子が多くいるようで、ちょっと心配になる。



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Unplugged今日の雑学>1999.03.22