のんびり光速
[今日の雑学 02.27]

 世界でもっとも速いものは何か。光速と答えるのが正しい。秒速約30万キロメートル。宇宙の中でもっとも速く、物理の基本定数になっている。
 ところがこのほど、光の進む速さを時速60キロまで遅くすることに、米ハーバード大などの研究グループが成功した(朝日2月26日)。時速60キロといえばふだん車で出している速度。
 しかけは極低温にある。ナトリウム原子のガスを零下273度、つまり絶対零度近くまで冷却してガスを作る。反射率が光ファイバーの百兆倍という濃密なガス。ここにレーザー光のパルスを入射。パルスは濃いガスと作用して、秒速約17メートルまで減速されたという。
 量子力学でいうボース・アインシュタイン凝縮という現象らしい。見そびれた光景もこのガスに通しておけばその間に追いついてじっくり楽しむことができるのだろうか。文系な頭はついばかなことを考えるのだけれど、極低温下でのみ起こる現象というから、そもそも身体がもたないな。



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Unplugged今日の雑学>1999.02.27