シェルターのなかで
[今日の雑学 01.16]
化石があるおかげで、ぼくたちは何千万年も、何億年も前の地球の姿を想像することができる。恐竜の骨格見本を組み立ててはるかジュラ紀に思いをはせた少年の日。そんなひととき、少年の心には化石にならなかった生き物たちのことは浮かばない。
シェルター化石というものがある(朝日1月15日)。15年ほど前、北海道で9500万年前の地層からキャライコセラスと呼ばれるアンモナイト化石を発掘していた大学院生が、誤って化石をたたき割ってしまった。残骸の中には、直径4ミリから12ミリほどの小型アンモナイトが200個以上もぎっしり詰まっていた。
ほんらいなら化石として残ることがなかった小さな生き物が、海底の水の流れにのってキャライコセラスの死骸に取り込まれ、保護されて残ったのだ。
偶然の事故から生まれたこの発見によって、当時その一帯では大型のキャライコセラスしか生息していなかったという解釈は覆される。
ひとつの時代には、化石として残る生物だけがいたわけではない。昔も今も、生態系の中ではもっと小さな生き物たちも必死になって生きている。そのことを、忘れないでいたい。
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