杉玉
[今日の雑学 12.30]

 新酒の季節になると、商店や飲食店の軒先に杉の枝葉にくるまれた玉のようなものが下げられる(神戸12月29日)。杉玉、あるいは酒林と呼ばれるもの。
 寒造りが美味しいといわれ始めた江戸時代から、年末になるとよく見られるようになった。いわば新酒ができましたという看板のようなもの。
 奈良県に三輪神社という酒造りの神様がある。毎年12月14日に酒祭りが行われ、奈良をはじめとして、伏見、灘など関西の蔵元の杜氏が集まるという。このとき杉玉を護符として持ち帰ったのが始まりだとか。
 もともと酒造りと杉は深い関係にある。殺菌作用があるとされることから桶や樽は杉で作られているし、酒米を浸すとき、下部の穴に杉の葉を重ねておく。すると水を抜くときに杉の葉が濾紙がわりになって、米はとどまり水だけが抜ける。
 年末に軒下に下げられた青々とした杉玉も、季節の移り変わりとともに濃い緑からほんのりと茶色くなり、やがて濃茶になる。それが酒の熟成を示すともいわれている。デジタルな数値より、なんだか味わい深い。



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Unplugged今日の雑学>1998.12.30