探求
[今日の雑学 12.12]
小学生のころ年に何度か帰っていた母の里に、山を回って続く小さな道があった。その道がどこに続くのか知りたくて、何度かたどった。いくど角を曲がっても道は続く。結局いつも途中であきらめていた。未知のものには出会わないままに。
道は、未知に通じるのだろうか。人は、それをたどらざるを得ないのか。ここにもひとり。英仏海峡を英国側から歩いていたひとりの男が、フランス側の出口を目前に逮捕された(日経12月11日)。36歳のロシア人船員。
有刺鉄線や監視カメラをかわし、トンネル内を150キロという速度で通りすぎる列車が巻き起こす突風からも身を守り、もうすぐゴールというところまで進んでいた彼。フランスの外人部隊を志願していたというから、それが目的だろうか。
ぼくはといえば、30歳を過ぎて、かってたどった道を反対側から車で進入する機会に恵まれた。途中で気づいたぼくは、車の速度を落とし、おそるおそる、山沿いの道の角を曲がった。幼い自分が、そこに現れそうな気がして。
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