彦八
[今日の雑学 09.23]

 何年か前、仕事の関係で大阪のふだんあまり寄らない土地へ行った。帰り道、何気なくわき道にそれて歩いていると、そこは神社。寄席が出ている。露店も。女性が境内で南京玉すだれを演じている。とうとつに現れた非日常空間。汗をふきつつ、ぼくは時間を忘れた。
 境内の端にのぼりが立っていた。「彦八まつり」とある。上方落語の始祖の名を知ったはじめ。今にして思えば、上方落語協会が毎年9月生国魂神社で開いている(朝日9月22日)ものだったのか。
 米沢彦八が落語を始めたのは元禄の頃。当時は道端に台をしつらえただけといった簡単なスタイルで、道行く不特定多数の人が相手だった。ひきとめるにはおもしろおかしくないといけない。このあたりが屋敷に招かれいわばお座敷芸として始めた江戸落語の祖、鹿野武左衛門などと違うところ。上方落語に鳴り物を入れたりする「はめもの」があるのは、こうした違いからきているのかもしれない。
 ところで、と、おや、デテケ、デテケ、出てけ。追い出し太鼓が鳴り始めたようです。このへんでお終いにしておきましょう。



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Unplugged今日の雑学>1998.09.23