湖の10万年
[今日の雑学 03.07]
湖の名を水月湖という(朝日3月6日)。福井県・三方五湖のひとつだ。淡水と海水が混じる「汽水湖」と呼ばれる種類。底には酸素をほとんど含まない重い海水が停滞するため、生物が住めない。湖底は静かで、降り積もるプランクトンによる底泥が乱されることもない。1万年前まで続いた氷河時代にも氷に覆われることはなく、プランクトンは積もり続け、層を成した。
このため、水月湖には世界でもここだけといわれる貴重な底泥層がある。木の年輪と同じような、きれいな縞模様。ただ、年輪の場合はせいぜい1万年だが、この縞模様、なんと10万年間も積もり続けている。
そのおかげで、層の数を数えればほぼ正確に何年前のものかが分かり、泥を分析することで、各年代の地球の様子を知ることができる。環境変化を知り、考古学や古生物学にも役立つのだという。
海底に降ってくるプランクトンの死骸は、マリンスノーと呼ばれる。明日のことさえ分からないほど日々に追われるひととき、心を水月湖の底におき、何千年何万年変わることなく降り積もるマリンスノーのことを思い出したい。
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